ビジネスシーンで自信を持って装える一着を求める女性の間で、オーダースーツへの関心が高まっています。既製品では体型に合わず、肩やウエスト、ヒップのラインに違和感を覚えることも少なくありません。
オーダーメイドなら、自分の体型に合わせて細部まで調整でき、動きやすさと美しいシルエットを両立できます。また、素材やデザインを選ぶ楽しみも魅力のひとつ。長く着用できる耐久性や、使うほどに体に馴染む着心地も支持を集める理由です。
本記事では、オーダー方式の違いや、仕立て前のチェックポイント、依頼時の注意点などを詳しく解説します。
レディースでオーダースーツが必要な理由
多くの女性にとって、既製品スーツは胸・ウエスト・ヒップなどの体型差をきれいにフォローしきれず、どうしてもちぐはぐな印象を与えがちです。特にバストが大きい方やウエストが細い方、肩幅や背中のラインに特徴がある方にとって、既製品では満足できないことも多いでしょう。オーダーメイドスーツは、そうした体型上のズレを補正し、自分らしいラインと心地よさを兼ね備えた1着を手に入れる手段として注目されます。
また、時間をかけて仕立てるオーダースーツでは、「着始めより、何度か着用した後のフィット感が高まる」ことも期待できます。長く使い、サイズ変化にも対応できる余裕を持たせた設計にすることで、結果としてコストパフォーマンスも高くなる可能性があります。
レディーススーツのオーダー方式と特徴
オーダー方式には大きく3つのタイプがあり、それぞれメリット・注意点があります。主な違いは、下記の通りです。
方式 | 特徴 | メリット | デメリット・注意点 |
---|---|---|---|
パターンオーダー | 既存パターンを基に補正を加えて仕立てる | 比較的価格を抑えられる / 仕上がりが早い | 標準体型に近い人向き / 大きな体型差には対応しにくい |
イージーオーダー | コンピュータで体型情報をもとに型紙補正する | パターンより柔軟 / コストと自由度のバランスが良い | 縫製品質や工場レベルによるばらつきが出やすい |
フルオーダー | 一点一点、型紙を起こしてすべて手作業で仕立てる | 自由度が最も高い / 体型変化への対応性も高い | 時間がかかる / 高コスト / 職人の技量が仕上がりに影響しやすい |
選び方の目安としては、「最初の1着なら手ごろにチャレンジしたい」という場合は、パターンもしくはイージー。「体型が特殊・こだわりが強い」ならフルオーダーを視野に入れる、という考え方が一般的です。
仕立て前のチェックポイント
オーダースーツを依頼する際、以下のようなポイントを確認・準備しておくと失敗を避けやすくなります。
オーダー対応の実績
一口にオーダースーツといっても、女性用と男性用では仕立てるポイントが異なります。そもそも女性用スーツを扱っているか、実績・評判・対応スタッフに女性がいるかなどは重要です。
特に採寸やヒアリング時に、感覚の違いがミスにつながることもあります。店舗選びの際には、実績や在籍スタッフなどを必ずチェックしておきましょう。
想定している予算
方式や生地、仕立ての細かさによって価格幅は大きく変動します。オーダー方法による価格の目安は、下記の通りです。
- パターンオーダ…比較的安価な設定
- イージーオーダー…中価格帯
- フルオーダー…高価格帯
たとえば、パターンオーダーなら3~6万円程度、イージーオーダーなら5〜20万円程度、フルオーダーなら20万円を超える場合もあります。オプションを足すとさらに費用が増えていくため、どの程度までの予算があるか、あらかじめ考えておくことが大切です。
着用シーンや目的を明確にする
ビジネス、スーツ通勤、営業、冠婚葬祭など用途に応じて、素材やデザイン(ツーピース・セットアップ・ワンピース+ジャケットなど)を変えるべきです。目的が明確であれば、生地の耐久性・透け感・通年性などの判断もしやすくなります。
もし知識に不安があるなら、想定しているシーンだけでも考えておきましょう。着用する場面をスタッフに伝えれば、素材や機能、デザインなどを考慮したものを提案してくれるはずです。
インナーや靴などを持参する
オーダースーツ作りを成功させるためには、インナーや靴などを持参するのも重要なポイント。ご自身がお手持ちのアイテムとの組み合わせによって、与えるイメージが異なるためです。
また、インナーによってスーツのシルエットにも大きな違いが出ます。実際の着用感に近づて貯制すれば、理想の一着に近づくでしょう。
オーダースーツを頼むメリットと注意点
オーダースーツを選ぶことには、多くの魅力がありますが、一方で注意すべき点もあります。ここでは、メリットと注意点について解説しましょう。
主なメリット
オーダースーツを製作すると、さまざまなメリットがあります。主なものは、次の通りです。
- 理想のシルエット…体型に合わせた調整により、自然なラインを引き出せる。
- 長時間でも快適…突っ張り感・ズレ感が少なく、着心地が向上しやすい設計が可能。
- 信頼感・印象アップ…体に合ったスーツは姿勢を整え、整った印象を与えやすくなる。
- 長持ち・コスト有利…高品質な素材と丁寧な縫製で長く使えるだけでなく、追加オーダー時には同パターンを再利用できることもあるため、長期的にはコスト面で有利になる場合も。
オーダーは既製品よりも費用がかかるものの、長く愛用できる分、コストパフォーマンスが高い可能性もあります。値段だけにとらわれずに、目的をしっかり達成できるかも合わせて考えましょう。
注意したい点
スーツをオーダーするとメリットが生まれるだけではなく、留意しておくべき点もあります。主な内容は、以下の通りです。
- 工場・縫製品質による…特にイージーオーダーでは、縫製工場の品質管理が仕上がりを左右することがある。
- 完成までの時間…特にフルオーダーでは仮縫いや補正を重ねるため、納期が長くなりがちである。
- コスト負担…高品質素材やオプションを多数組み込むと価格が跳ね上がることも。予算とのすり合わせが重要となる。
- サイズ変化…体型変化(体重の増減、筋肉量変動など)には対応できるものの、極端な変化には限界がある。設計時に余裕を持たせる配慮が望ましい。
長所だけではなく、デメリットにも目を向けることで、理想の一着に近づけられるはずです。
まとめ
レディースのオーダースーツは、自分の体型やライフスタイルに合わせた“本当に似合う一着”を実現する最良の選択です。パターン・イージー・フルオーダーといった方式ごとに特徴があり、用途や予算に合わせて選ぶことで、理想の仕上がりに近づけます。
重要なのは、信頼できる店舗を選び、目的や希望をしっかり伝えること。丁寧な採寸と打ち合わせを重ねることで、見た目だけでなく着心地にも満足できるスーツが完成します。長く愛用できる一着を手に入れ、毎日の装いに自信と品格を添えてみてはいかがでしょうか。